「企業が大学教育の成果をほとんど評価しないできた、という現状を変えていくためにも、大学の成績評価のあり方を大学の外の社会でも意味を持つように改善していくことが必要だ」(東京大学大学院教授)負のスパイラルを引き起こした発端は確かに企業の採用早期化ではあるが、日本ではそもそも企業の大学教育に対する評価が低いことと、これまで成績を採用選考の材料として考慮しようにも、大学の成績評価基準が曖昧で参考にならなかったのである。
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大学のつける成績評価が企業側から見ても客観的と評価できるようになれば、成績を見ないで選考するよりも見た方がいいに決まっている。面接だけではわからない学生の能力を見ることができるから、そのぶん選考の精度も高まり、優秀な学生を確保することにもつながるからで、企業側は喜んで「就活改革」に協力するだろう。その点で、大学側にも成績情報を公開し、企業側に提供できる条件が徐々にではあるが整備されつつある。日本でもGPAを導入する大学がずいぶんと増えてきているからだ。GPAというのは「グレード・ポイント・アベレージ」の略で、簡単にいえば、学生の成績を数値化して毎学期の成績の平均点を出し、できるだけ客観的な評価を出そうというもの。欧米の大学や高校で一般的に使われている成績評価指標である。例えば「A」、「B」、「C」、「D」、「F」の五段階で評価され、「A」は四点、「B」は三点、「C」は二点、「D」は一点、「F」は〇点、という具合に点がつけられ、各単位数をかけて足した合計点を総単位数(履修登録単位の総数)で割ってスコア化される。これだと学生の成績が正確な数字として表されるし、若干工夫の余地はあるが成績を比較する点でもわかりやすい。海外の大学に留学する際、受け入れる大学が学生のレベルを把握できるとして用いられたり、次の学年への進級の可否を決める際にGPAが活用されている。大学が企業からの信頼を取り戻す上でもGPAの公開がぜひ求められる。